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台湾人目線で見た台湾

【2022.5.17】ついに濃厚接触者に対する隔離が不要に(これまでの動きをまとめ、今の人々様子を報告します)

ドライブスルーPCR検査会場_R

ついに来ましたという感じです。下記は「フォーカス台湾」の記事の部分引用です。

「(台北中央社)新型コロナウイルス対策を担う中央感染症指揮センターは16日、ワクチンを3回接種した濃厚接触者について、3日間の在宅隔離を不要とする措置を発表した。施行は17日から。中等症や重症の患者への対応に医療資源を集中させるためとしている。」(日本語の原文のまま)

※ミニお薦め
みなさんが常に台湾のことを知りたいなら、スピードや記事の密度において私がお薦めするのは、政府系メディアであるフォーカス台湾です。
フォーカス台湾 – 中央社日本語版 (focustaiwan.tw)

このような規制緩和の一方で、今日も6万人を超える感染者が出ています。

台湾政府中央感染症指揮センター提供

※「〇+〇」って何の暗号?
ちょっと解説します。台湾では隔離の期間を「7+7」のように表現します。これは「外出禁止の隔離期間が7日、自主防疫期間が7日」という意味です。自主防疫期間は、限定されますが外出はできます。隔離の基準については、①国内で濃厚接触者となった時の隔離と、②入国時の隔離の二種類があります。今回は、ワクチン3回接種を条件に、①が「3+4」から「0+7」に短縮されたのです。

ドライブスルーPCR検査会場_Rフォーカス台湾から引用:中世記念堂広場に設置されたドライブスルーPCR検査会場
ドライブスルー型PCR検査会場1日1200人対応可能 – フォーカス台湾

■ 隔離の規制は二種類
日本へのインバウンドの再開に影響するのは、当然入国時の②です。私が前回台湾に帰国した2月1日も、ほぼ二年半の間と変わらず「14+7」でした。その後「10+7」となり、現在「7+7」まで短縮されています。一方国内の①は、4月26日に「10+7」から一気に「3+4」となり、5月16日に「0+7」となったのです。

■ 3月からの大きな変化
コロナについては、3月から激しく動き出した感があります。日本でも知られている通り、台湾はゼロコロナ政策を採り、二年以上も感染を封じ込めてきました。しかし3月、徐々に政府は緩和政策を取り始めます。一方で、空前の感染拡大が起きているのも事実です。これについては、個人的感想を含めてこれまでの経緯をまとめたいと思います。

■ ウィズコロナに変更
政府は、秋の全国選挙を前にして、ゼロコロナを堅持するかウィズコロナに変えるか、国民感情の読みを含めて迷っていたのかもしれません。しかし感染が拡大しつつある中で、②を「14+7」」から「10+7」に短縮しました。さらに4月18日に、なんと「今後国民の15%350万人までに感染を留める」という目標?を発表しました。この時点で、完全にウィズコロナへの方針を明確にしたようです。

【2022.4.18】 陳保健部長が、コロナ感染率を15%以下にする目標を発表

■ 素直な国民性
陳保健部長による規制緩和の理由は、3次ワクチン接種の拡大と、1%以下の発症率の低さです。諸外国の動きと規制による経済活動の支障も考慮したそうです。そもそも台湾人は、国民性が素直というか、真面目というか、そういう印象です。つい日本と比べてしまうのですが、マスコミの偏向報道、ワクチン陰謀説、国を代表する芸能人の発言、マスク嫌いおじさんなどは感じません。(私の中国語のレベルの問題かも?!)

【2022.4.21】 台湾のコロナ感染状況と、私のワクチン接種レポート

■ 街中と人々の様子
昨年の今頃、750人の感染でパニックになった時は、通りに人はなく、ロックダウンと間違える様相でした。しかし現在毎日6万人の感染者が出ても、政府は規制をしません。私の周辺にも、感染者や濃厚接触者はいます。台北は人口密度が高いので、やはり感染しないかと心配です。でも台湾人に、恐怖や混乱は感じられません。スーパーの買い占めや医療のひっ迫などの混乱は感じません。自主検査キットが品薄でしたが、充足しているようです。さすがに人出は、3~ 7割は減っています。特に子供連れは見ません。

5月17日の台北の街の様子②普段とのギャップ二選。①は日曜日の台北駅二階の食堂街。普段は座る席がありません。

5月17日の台北の街の様子①普段とのギャップ二選。②は人気火鍋店の天外天の今日。普段は予約しないと座れません。

■ 最近便利になったこと
4月までは、あらゆる建物の入り口で、QRコードを読む申告が必要でしたが、あるアプリのおかげで5月から不要になり、ほんとうに外出が楽になりました。時々画面をチェックすると、自分がいつ感染者と接触したのかがわかります。4月下旬には800万人がダウンロードしています。これはオードリー・タン大臣の貢献ですね。参考に私の画面を貼ります。あ!4分間、感染者と接触していました!でも10日前なので大丈夫。

台湾の感染者接触アプリの写真③

■ ウォームアップの開始
私の周辺のあちらこちらで、観光再開に向けての動き(ウォームアップというそうです)を感じるようになってきました。台湾で巣ごもりしていたある中堅旅行社の社長は、本人曰く、日本の各地のホテルから引っ張りだこだそうで、きっと毎晩楽しく日本を飛び回っています。台湾旅行業公会(協会。日本のJATAにあたる)の幹部のところに行くと、ある航空会社とのチャーター計画が具体的に話されていました。みなさんいろんなことを言いますが、「9月から」という言葉が多い気がします。(あくまでも個人の感想です)

■ まとめ
世論調査による陳部長の信頼度は、6割超えだそうです。ここまでみていると台湾政府は、物理面も国民感情も、総じて管理できています。台湾でも6月からの日本政府の観光再開への動きが報じられていますが、意外と私の周囲の台湾人は静かです。「団体旅行の条件があるなら行かない」と冷めた反応。やはり個人化の波は止められないですね。さて、台湾の感染は、5月にはピークアウトすると政府は見ています。そして両国の政策がバランス良くかみ合って、すべてが前に進むことを願っています。今回は長くなり恐縮です。

IBC董事長 大塚 順彦

 

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